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Cinema Review

スター・トレック: ディスカバリー シーズン4 | Star Trek: Discovery Season 4 (2021)



3.5/5.0

「スター・ウォーズ」と並ぶ超有名SF作品ということもあり、映画版は第1作から最新作まで全て観賞していつつ、ドラマ版の全てまではフォローしきれていないが、こちらのドラマシリーズはシーズン1から視聴している。


長寿シリーズの宿命ともいえる時系列やイベントの混雑と整合性の問題を、シーズン2と3でのタイムトラベル (タイムジャンプの方が正確か) によってシリーズで最も遠い未来へ舞台を移すことで上手く回避したことがあり、予備知識が充分になくとも未知の時代の物語へすんなり入れるようになっている。

とはいえ、これまでのシリーズで語られてきたモチーフ・歴史・技術・生物種などの設定は共通なので、シリーズのファンであればなお楽しめる、巧みな設計だなと感じた。


初代のドラマシリーズや映画版はタイトル通りの「宇宙の探索 (STAR TREK)」に重きが置かれており、異人種との戦争よりは対話の重要さを、破壊よりも発見の素晴らしさが描かれていたが、久しぶりにその原点への回帰的な脚本になっていたように思う。

ド派手でダイナミックな画や激しいアクション演出に慣れてしまったSFファンには、少し地味で見せ場が乏しいと感じるエピソードもあるかも知れないが、個人的には「スター・トレック」ってもともとこういうシリーズだったなと思い出しながら、ポジティブに楽しむことができた。

特に、終盤で描かれる未知の生物種との対話方法の模索とその解決法については、とても純度が高いSF的な興奮を覚えた。


「スター・トレック」の創作者であるジーン・ロッデンベリーが提示した、人類がいつか到達しなければならない高い規範と倫理が成熟した文明、それでも避けがたい哲学的衝突、そして対話と相互理解による解決の探求といったこのシリーズの特徴は、「スター・ウォーズ」シリーズとはまた違う貴重な価値があると思う。

最終シーズンとなるシーズン5も楽しみながら視聴していきたい。

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Auther:

Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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