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Cinema Review

殻を破る | Out (2020)



3.8/5.0

ピクサー製作による「SPARKSHORTS」シリーズの1篇。

恋人を両親に紹介したい主人公には、まだ親に打ち明けていないことがあり… という導入から、ディズニー / ピクサーらしい魔法のような出来事が起きる短篇アニメーション。

ピクサーならではの3DCGを手法にしつつ、アナログペイントのようなタッチで作画されていて、ピントの遠近等の描写も実験的な面白さがある。


作品のテーマはなかなか繊細でシリアスながら、ピンチな状況に陥った主人公が豹変する様子がとてもコミカルで、そのギャップがとても面白い。

主人公の事情を理解しその幸せを願ってドタバタと奮闘する飼い犬の姿も、これぞディズニーという切れ味の演出で微笑ましく、親が子に持つ愛の限りない深さも描かれていて、とても心温まる読後感が残る。


誰もがシンプルに楽しめるエンターテインメントを常に目指しながらも、この作品でも取り上げているような、社会が解決・前進していかなければいけない課題に対しても臆することなく向き合い続けるディズニー / ピクサーの企業姿勢は立派だと思う。

現実の社会においてはこの物語のように単純化できない事情を隠して息苦しく生きる人々の方がまだ多いだろうけれど、そういった人々の側に立ち続け、啓発し続ける企業があるという事実が、当事者にとって何よりの (殻を破る) 勇気になるのではないか。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ

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