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Cinema Review

ミッション: インポッシブル / デッドレコニング | Mission: Impossible - Dead Reckoning (2023)



3.9/5.0

トム・クルーズのライフワークとも言える超有名シリーズで、ボディダブルやVFXを極力使わず俳優本人の身体演技や画のリアリティに極限までこだわりながら作られた様々なアクションシーンの凄みは唯一無二、他の追随を許さないといえるレベルで、流石としか言いようがない。


ただ、シリーズを重ねるごとに私たち鑑賞者や批評家のこのシリーズへの期待がどんどん高くなっているように思い、また目玉になるシーンのかなりの内容を予告篇で見せてしまっていることもあって、初鑑賞時の度肝を抜かれるような映画体験はあまり得られなかったところが残念だった。

これだけの超大作を制作するには当然ながら巨額の予算や長大な期間がかかるものだから、予告篇にて期待を最大まで高めることで興収を最大化する必要があることはもちろん分かりながら…


シリーズ第1作目からの大ファンのひとりでありながら、クリストファー・マカリーが監督を担当するようになってからの脚本には少しだけ不満がある。

要所でのアクションの見せ場のイメージが先にあって、その前後のつなぎの脚本は撮影直前まで完全には固まっておらず、マクガフィンを軸にギリギリのところで接続するような形で制作するスタイルを取り入れていると知って、うーんなるほどだから劇を横断する伏線的な脚本にはなかなかならないのかと腑に落ちた。

自分自身は脚本に伏線がなければ良い映画にはならないという極端なスタンスではないけれど、ほぼアクションと画の力だけで映画を成立させるというのはなかなかな力業だなと感じ、脚本の巧みさと比類なきアクションのどちらも揃っていれば最高なんだけれどなぁ… と感じてしまう。


これだけのレベルのアクションを観せてもらいながら、そんな贅沢を求めてしまう鑑賞者や批評家がいる (しかも世界中に) ことも、また制作者たちにとってはプレッシャーになってしまうのだろうとも思いながら、次回はシリーズフィナーレということで、やはりいちファンとして期待したい。

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Auther:

Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ

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