ミスミソウ | Liverleaf (2017)
- Shoji Taniguchi
- 3月24日
- 読了時間: 2分
3.3/5.0
押切蓮介による漫画を原作とするバイオレンス・ホラー映画で、「ライチ☆光クラブ」や「ホムンクルス」等のダークな作風で知られる内藤瑛亮が監督を担っている。
映画鑑賞前に原作漫画を読み終わっていたので、こんなにダークで容赦のない暴力描写ばかりの物語をどうやって実写化するのだろうと思いながら鑑賞したが、ハリウッドや韓国等の映画と比較すればやはり薄っぺらく感じてしまう部分があるものの、概ね原作の見せ場を忠実に実写でやり切っているのではと感じた。
VFXのチープさや俳優達の演技の浅さが気になって物語に没入することが難しかったが、少なくとも監督がどんな画を形にしたいかについてはしっかり伝わってきた。
主人公を演じる山田杏奈やその主人公に想いを寄せる同級生を演じる清水尋也には存在感があったが、安っぽいVFXや血糊メイクで俳優に損をさせてしまっているような…
また、主人公が窮地に陥ると「こんなところに◯◯が落ちていた」といった形であり得ないレベルの幸運を発揮し逆転アイテムを拾うシーンが頻発するが、これらは原作でもほぼ同様なので、ある意味仕方ないともいえる。
原作漫画でも映画でも共通する要素、というよりは根底に描かれているものとして、閉鎖的なコミュニティに生きる者達が感じる息苦しさがある。
客観的に考えればどうしたってまともではないと思える事態も、その閉じた世界に生きている者達にはその異常さを自覚することができないという社会の闇を、この作品はバイオレンスという手段を通して描出している。
小さな田舎街で生まれ育ち、いつも息苦しく生き辛い思いをしてきた自分は、劇中の暴力描写によって、少年時代に受けた傷を再び抉られるような幻視的な痛みを感じた。