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Cinema Review

ハッピー・デス・デイ | Happy Death Day (2017)



3.6/5.0

話題作を次々と世に送り出す製作会社の常連となったブラムハウス・プロダクションズによるホラーコメディで、「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの脚本や製作を担ってきたクリストファー・B・ランドンが、今作の監督を手掛けている。


性悪な主人公が仮面をつけた謎の人物に殺されると、なぜか時間が巻き戻されてその日の朝に戻ってしまい、主人公は何度もその最悪の日を繰り返し過ごしながら自身を手に掛けた犯人の正体に迫るという、シンプルながら工夫が効いた設定。

同じ風景や状況が繰り返し使われることになるので、必然的に撮影の効率が上がって予算を抑えられるという製作観点でのアイデアの巧みさも、予算は少ないが製作者には最大限の創作的裁量を与えるというポリシーのブラムハウスならではと感心する。


自身が死ぬ日を繰り返す中で、序盤では最悪の人格にしか思えなかった主人公の内面が少しずつ見えてきて、事件の真相に迫る筋書きと主人公のキャラクターアークの変遷が同時進行していく脚本は、とても完成度が高い。

主人公の性悪な振る舞いが酷いこともあって、主人公に恨みを持つであろう人の思い当たりがあり過ぎ、登場人物の誰もが犯人に思えてしまうところは笑えるが、終盤ではけっこうひねりの効いたツイストがあり、序盤から丁寧に仕組まれていた伏線が鮮やかに回収されていく面白さがある。


大予算をかけて名俳優を起用したりド派手で豪華なVFXが山盛りな映画を観る楽しさはもちろんあるが、この作品のように、予算が限られていても設定や脚本次第で面白いものを製作することはできるのだと証明するような映画は、個人的にとても好みだ。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ

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