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Cinema Review

タイム・トゥ・ラン | Bus 657 (2015)



4.0/5.0

隠れた良作という評判を読んで観賞したが、脚本にも演出にもしっかり見どころがあり、楽しい映画体験ができた。


主人公はカジノで働くディーラーで、やむにやまれぬ事情で大金が必要になり、カジノの金庫からの現金強奪という犯罪に手を染めることになるのだが、そこに至るまでの脚本の運びや演出が丁寧で、自然と物語に惹き込まれる。

中盤からは舞台が大きく展開し、アクションや派手な演出はやや控えめながらも、なかなか先が読めない面白さがあり飽きない。

終盤でひとつ明らかになる大きめの脚本的仕掛けがあって、自分は劇中で丁寧に仕込まれていたその伏線に気づかず、おおっと思わされてしまった。


出演者の豪華さにも驚かされる。言わずと知れたロバート・デ・ニーロを初め、デイブ・バウティスタ、ジーナ・カラーノ、ケイト・ボスワースと、主役を担ってもおかしくないレベルの俳優達がしっかり脇を固めていて、その演技と存在感が映画の画づくりを安定させている。


とりわけ、主演を担ったジェフリー・ディーン・モーガンのこの作品での演技は、追い込まれた人間の苦悩や、犯罪に手を染めながらも隠せない優しさ、先を読んで大局的に動く理性と知性といった様々なものが体現されていて、それが物語の共感性や納得性を強力に高めていると感じた。

ジェフリー・ディーン・モーガンはドラマの「ウォーキング・デッド」シリーズでも極悪人から善人まで180度キャラクターが変化する複雑な主要キャラクターを演じていたが、一流俳優の演技とは本当にすごいものだなとあらためて感心してしまった。

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Auther:

Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ

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