アンテベラム | Antebellum (2020)
3.9/5.0
アメリカという国家が未だ完全には乗り越え解決できていない人種差別問題について、その様々な種類の痛みも含めて描き出されていた作品だった。
物理的・肉体的な迫害のシーンは当然辛かったが、表面上はハッキリ見えずとも心理的に蔑まれていると気付くといったシーンの方が、自身の過去の体験が思い出されてより苦しい気持ちになった。
二つの物語が複層的に展開しながら、その二つが衝撃的に接続するシーンがあり、極めて映画的でドラマティックな演出に驚かされた。
強いメッセージ性を内包する脚本には、この映画のような強烈な跳躍があるものだなと感じた。