ミッドナイト・スカイ | The Midnight Sky (2020)
3.0/5.0
俳優やプロデューサーとしては多くの人に超一流と認められつつ、監督すると常に微妙ともいわれがちなジョージ・クルーニーが手掛けた作品ということで、期待と不安と半分ずつで鑑賞した。
ジャンルはSF、既に文明の終末を迎えてしまった地球という設定ながらも、斬新だったり驚くような画づくりはほとんどなく、演出も終始抑制的。
ただ、物語としてはコンパクトに破綻なくまとまっている。
傑作とは評価されにくいだろうけれど、観て損したぞという気持ちにはならなかった。
宇宙船と北極という2つの舞台で並行して物語が進むが、宇宙船の方のパートについては、実力のある俳優達の好演と、総じて丁寧な演出がありながらも、全体的に既視感があってやや凡庸。
北極の方のパートは、SFというよりロードムービーのような枯れた味わいがあり、地味ではあるがこれはこれで面白いと感じた。
総じて、監督 兼 主演のジョージ・クルーニーにおける (役柄上の) 人生の総括的な旅といった趣で、自身が老齢を迎えたからこそこの役を演じたい、この原作 (「世界の終わりの天文台」というSF小説)を映画にしたいと考えたのかも知れないと想像した。